高ドッキョウ遭難 Ⅲ

先週発生(11/10)した遭難事故の詳細(?)が判りました。

遭難者は静岡市葵区在住の74歳男性(仮にA氏とします)で、樽峠から高ドッキョウに登り、徳間峠を経て大平に下るコースを歩く予定(救助後に聴取)でした。

A氏は7時に家を出発し、公共交通を利用して静岡市清水区但沼(ただぬま)へ着きました。
しかし、そこから高ドッキョウの登山口最寄バス停である板井沢までのバスは、時間的に運行されていませんでした。 A氏はその間と、登山口の樽まで(約12km)歩いたそうです。

 
A氏が何時に樽に着いて歩き始めたのかは不明です。
高ドッキョウ概念図  クリックすると大きくなります
静岡県山岳連盟が発行した「静岡県 登山・ハイキングコース120選」で紹介しているコースタイムは以下のものです。

板井沢バス停-40-樽峠登山口-30-ヒュッテ樽-20-樽峠-30-清水方面展望所-25-湯沢分岐-5-高ドッキョウ-40-高野槇分岐-30-徳間峠-40-東海自然歩道-60-大平
 
A氏は予定通り歩き始め日没により行動不能となり、家族を通じて17時半過ぎに救助を求めたものと思われます。

家族から消防へ「25番の標識がある場所にいる」と伝えられました。
消防は「その場所を動かないように!」とA氏に家族を通じて(消防から直に通話できませんでした)連絡したのは言うまでもないことです。

「25番」がどこなのか?、それが判らず私のところに問い合わせ(18:25)があったのです。 私も高ドッキョウには登っていますが、標識の番号まで覚えていません。 そこで「ヒュッテ樽」の持ち主のA島さんに聞きましたが判りません。 直ぐに調べてくれ「№25は高野槇分岐」と判明したのです。

この番号入りの標識は、「静岡市清水和田島少年自然の家」が周辺登山道に設置したものでした。(旧清水市の施設なので、私達旧静岡市の住人に情報がありませんでした)

場所が判明した時点(19時過ぎ)で「冷え込みが強いので、今晩中に救出したい」と、私も消防に要請しました。 
静岡市消防山岳警備隊の出動が決まり、隊員(T隊長とM野君)は19:30に湾岸消防署集合となりました。 私は私用で出かけられませんでしたが、ヒュッテ樽のA島さんと彼の山仲間のY本さんが応援してくれることになりました。
救助には大平から徳間峠を経て高野槇分岐へ向う(比較的安全なルート)ことになり、徳間峠登山口を21:00に出発し現場着は22:05でした。

以下A島さんからの報告。
A氏は№25の標識の横にうずくまっていた。 北東の風がまともに当たる場所だったが、元気だった。 体温維持のために警備隊持参の毛布を掛け、水とバナナを食べさせた。
驚いたのは足元で、普通の革靴(登山靴ではない)だったこと。 ズボン下を穿いていたが、薄いジャンパー(ウインドブレーカー?)だけで、雨具・灯火器はなし。
30分ほど後に出発し、途中2回休んで徳間峠へ。 
峠から下り始めたところで歩けなくなり、背負って降ろした。(当初は元気だったのだが様子が変わったので、救急車の出動を要請) 
林道へは2時過ぎに着き、A氏は救急車で病院へ搬送された。

以上が判明した事実です。

今回の件は事前の調査(公共交通の有無など)や装備〔灯火器や防寒用品(雨具等)など〕と日没の時間など下調べをしっかりしていれば、遭難事故には至りませんでした。
ラッキーだったのは、居場所を特定できる所から動かなかったことです。
この「番号入りの標識」、似たようなものは丹沢でも設置されていますが、導入を検討する必要があると思わされました。






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23:08 | 遭難・事故 | comments (3) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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comments

# へんなところで感心
常識的にはいろいろ問題のある行動をとった方だとは思いますが、登山口まで12キロも歩いたということについては感心してしまいました。
私ならそんなに歩くようなら、急遽コース変更か行き先を変えてたと思います。
by: 低山 | 2008/11/21 15:27 | URL [編集] | page top↑
#
そんな遭難事故があったんですね。地図は持っていたのかな?
明日、二王山へ行く予定です。今回は一人なので遭難しないよう注意しよっと。
by: nakamura | 2008/11/21 18:40 | URL [編集] | page top↑
#
中村さま、低山さま 今晩は。

この遭難、幾つかの新聞には載ったようですが、岳連関係者の間でも殆ど知られていません。

最初はタクシーでも使ったのかと思いましたが、驚きです。 私も低山さんと同じく、絶対に歩かないですね! 東俣林道とか、奈良田から北岳へ向う道を冬季に歩くのは別ですが。

地図を持っていたかどうかは、今のところ確認していません。

中村さん、二王山もピンクのテープを設置しましたので、とりあえず道迷いだけは心配ないと思います。
by: かたやま | 2008/11/21 21:54 | URL [編集] | page top↑

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